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ハードウエア開発

バッテリー制御技術のノウハウを活かしながら、自らの開発を通じて、こういった問題を解決していきたい

ハードウエア開発
電原技術室 2018年入社
竹原和男

キャリアストーリー

父は大型のゲーム機器の修理などを行う電気関連の職に就いており、その影響もあってか、幼い頃から電池や電気に興味を持ち、モノを触って自ら分解していました。大学では電子工学を専攻し、電気自動車の非接触充電について研究をしていました。
大学卒業後、希望した電子部品・電池の製造メーカに入社し、研究部門に配属され、電源技術に関する研究を行っていました。3年間の研究職を経て、3mm×3mmほどの小さなマイクロコンバーターの開発・量産、評価を担当することになりました。その後、次世代リチウムイオンキャパシタの開発部隊のメンバーとなり、キャパシタの保護回路を製作しました。太陽光や風力発電設備を導入する離島で、実証実験を行っていました。

職務内容とやりがい

転職のきっかけは、会社がリチウムイオンキャパシタ事業から撤退したため、別電池 の開発部に異動したことです。私自身は、これまで手掛けてきたリチウムイオンキャパシタに、今後の将来性を感じていました。
経営方針が変わったのちに、別の事業部に移り、管理職として組織のマネジメントを担当することになったのですが、この先も市場の成長が見込まれるリチウムイオン電池の分野で、マネージャーではなく、自らが開発者としてキャリアを積んでいける“現場”の仕事がしたいと思い、転職を決意しました。

NExT-eSについては、実は数年前から動向をウォッチしていました。リチウムイオン電池の制御回路の設計を行っており、当時勤めていた会社内から見ていても、先を見据え、時代に合った開発をしているなと思っていました。

電池にため込んだ電力によって車両の動力を得る、これからのE-モビリティ社会を支える技術として、さらに発展していくところでチャレンジしたいと考え、転職を決めた時には、同時にNExT-eSへの入社を迷わず決めていました。
電動車などに利用される電池セルは、大容量にする際に、安全で効率よく均一化=バランスさせる技術を必要とします。電源技術室では、そこに注目し、直列電池をバランスさせる電源回路を利用したバランサ技術の開発を行っています。アクティブ・セルバランス(ACB)は、電動フォークリフトに、アクティブ・モジュールバランス(AMB)は、電動バスなどに利用されています。私はAMBの開発を担当し、他のメンバーはインテリジェント・ホット・プラグスイッチ(IHS)をそれぞれ担当しています。

以前から高電圧な電池を扱っていたので、あまり転職後の仕事内容の変化はありませんが、学術書を読んだり、仲間とのコミュニケーションを通じて、日々、新しい電池の知識を取り入れています。NExT-eSの創業を支えた技術メンバーの電源知識はとにかく豊富で、とても大きな刺激になっています。
現在複数の開発プロジェクトが量産化へと移行しており、通常業務に加えて、量産体制の整備や、開発のルール作りなどを行っています。当社のエンジニアの特徴として、他分野でも一般的な電子電機の基礎が出来ていれば、これまでの経験と知識をいかに応用するかだけで、チャレンジができると思います。スタートアップ企業ということもあり、自ら開発体制を構築していくことにも面白さを感じられます。

繁忙期には、他のメンバーが設計した製品の評価をサポートしたりしていますが、当社の開発方針として、開発した初期製品は、最終的に正常にモノが動くのかどうか、開発者自身が評価します。生み出す段階から最後まで、自分の技量と責任でやり切れることには、私自身やりがいを感じています。

今後の展望

今後の展望
少し意外に思われますが、開発者として、これからもっと外に出て、最新の技術を学び、学会などにも積極的に参加していきたいです。この世界で名前が知られるくらいのスペシャリストになることを目指しています。NExT-eSでは、積極的に論文や特許を出すことができます。技術を開示していくことで、リスクが発生することも勿論理解していますが、リスクよりも成果を意識して、常に停滞することなく、成長し続けていきたいです。

NExT-eSの開発技術の一例として、並列接続した複数の電池パックのうち、使用できなくなったパックのスイッチを自動で切り離し、他のパックは放電を継続して行う、インテリジェントな自動制御技術(IHS)を開発し、特許を取得しました。この技術により、並列された全てのパックの電力をフル活用することができるようになります。また、中古電池や異種電池(リチウムイオン電池と鉛電池など)の並列が可能となり、電池の再利用も促進されます。これまで、手動による切り替えを疑うことなく、一般的なものとして捉えてきた技術の世界に対して、自動にしてはどうか?という新たな視点で開発にチャレンジしたこと。これは、開発者にとって重要な視点だと考えます。

これからの社会では、限られた資源の中で、環境にやさしいエネルギーを効率よくため、安定したエネルギーとして使える技術を導入し、普及拡大をしていくことが求められています。ひとたび自然災害が起きると、同時にエネルギー問題が発生しますが、電池を上手く活用することによって、電力の安定化に貢献することができます。電池をリサイクルすることは、資源の循環にも繋がります。

NExT-eSのバッテリー制御技術のノウハウを活かしながら、自らの開発を通じて、こういった問題を解決していきたいです。

※文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全てインタビュー時のものです。